横浜市会の政策・総務・財務委員会が13日開かれ、林文子市長がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を決断したとされる7月31日の会合の議事概要などの資料が提出された。その6日前に関係部局で開いた会合で議案発表までのスケジュールを協議していたとする資料も出され、委員からは市長の決断前から庁内で準備が進んでいたことに批判が相次いだ。
「議事概要(IRの実現に向けて)」との資料は、7月31日午後3時20分から同35分まで、市長と4人の副市長、政策、財政両局の幹部らが市長執務室に集まったことを明記。確認事項として▽依存症対策▽市民説明会の状況の確認▽市長の発表時期▽資料の確認-が列挙され、最後に「上記について了承された」と記されていた。市によると、会合はわずか15分で終わったという。
7月25日に政策局の会議室で開かれた「IR検討プロジェクト」の次第には、スケジュール表が添付され、正副議長説明や各会派説明など、議案発表までのスケジュールも関係部局が協議していたことが分かった。
井上桜氏(無所属)は「トップがまだ決断していないにもかかわらず、なぜ発表時期まで打ち合わせるのか。周りが外堀を埋めていったと言わざるを得ない」と市の意思決定過程に疑問を呈した。これに対し、小林一美副市長は「あくまでも案を作成した。(市長が)判断しなければ、なしになるだけの話」と釈明した。
委員会では、ギャンブル依存症対策などの社会的コストを市が試算していないことなどにも批判が集まった。
市が提出した、IR誘致に関連する2億6千万円の一般会計補正予算案を巡る審議はこの日で終了し、17日の委員会で採決される。
神奈川新聞社
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